
予防歯科
予防歯科
予防歯科とは、むし歯や歯周病などの口腔トラブルを未然に防ぐための歯科医療のことです。治療が必要になる前に予防を行うことで、歯の健康を維持し、生涯にわたって自分の歯を守ることができます。
「治療する歯科」から「守る歯科」へ。
予防歯科には、①自宅でのセルフケアと、②歯科医院でのプロフェッショナルケアの2つの柱があります。セルフケアでは、正しい歯磨きやデンタルフロス・歯間ブラシの使用、フッ素配合の歯磨き粉の活用が重要です。
一方、歯科医院では、定期的な検診やクリーニング(PMTC)、フッ素塗布、シーラント処置などが行われます。
予防歯科のメリットは、むし歯や歯周病の発症を抑えるだけでなく、治療にかかる時間や費用を削減できることです。また、口腔内の健康が全身の健康にも良い影響を与えることが分かっており、糖尿病や心疾患のリスク低減にもつながります。
歯のトラブルが起きてから治療するのではなく、定期的な予防を習慣化することが、健康な歯を長く保つ鍵となります。患者様の大切な歯を長く健康に保つお手伝いをいたします。
定期的なケアでトラブルのリスクを大幅に低減します。
問題が小さいうちに見つけることで、治療の負担が軽くなります。
お口の健康は全身の健康に直結しています。健康な歯は健康な体の基盤です。
定期的なクリーニングで、歯の白さや清潔感を保ちます。
予防歯科の基本は定期検診です。当院では、患者様ごとに検診の頻度や内容を提案し、継続的なケアを行っています。大人はもちろん、お子さんのむし歯予防や成長に応じたケアもお任せください。
予防歯科は、未来の健康への投資です。大切な歯を守るために、ぜひ当院にご相談ください。
一般的に、定期検診の推奨頻度は約3カ月に1回です。ただし、口腔内の状態やリスクによって異なり、むし歯や歯周病のリスクが高い人は1・2カ月ごとの検診が推奨することもあります。逆に、口腔内の健康状態が良好な場合は、6カ月ごとの検診でも問題ない場合があります。
予防歯科の中心となるのはセルフケアと定期的なメインテナンスです。
「予防」の基本は毎日の歯みがきですが、歯と歯のすき間や歯ぐきの溝、奥歯の噛み合わせ溝などの汚れは、セルフケアで完全に除去することはできません。そのため、毎日歯みがきをしていてもむし歯になってしまうことがあるのです。徹底的にお口の中の汚れを除去できるのが、歯科医師や歯科衛生士らによるプロフェッショナルケアです。
定期的に専門家の歯のクリーニングを受けて、お口の汚れを除去すれば、細菌の温床となるバイオフィルム(強力に付着した多種の細菌の膜)や歯石を取り除くことができます。
プロフェショナルケアでは歯垢や歯石の除去をはじめ、口腔内診査、歯みがき指導などを行います。
プロフェッショナルケア
(PMTC)
歯科医師や歯科衛生士が専用機器を使い、歯の表面や歯周ポケットの汚れを丁寧に取り除きます。歯磨きでは届かない部分を徹底的にクリーニングし、ツルツルの歯に仕上げます。汚れの再付着を防ぎ、むし歯や歯周病リスクを低減する効果も期待できます。
フッ素塗布
フッ素(フッ化物)は歯の再石灰化を促し、むし歯を予防する効果があります。小児だけでなく成人にも有効です。特にむし歯になりやすい方やリスクの高いお子さんには、3カ月に1度程度の塗布がおすすめです。
シーラント処置
奥歯の溝を特殊な樹脂でコーティングすることで、むし歯になりやすい箇所を保護します。溝の構造が複雑な乳歯や生えたての永久歯に特に有効で、汚れがたまりにくくなるため、むし歯予防効果が高まります。
歯周病検査、ケア
歯周病の原因となるプラークや歯石を専用の器具(スケーラー)で取り除き、歯ぐきの健康を維持します。早期発見・早期予防が歯周病対策には欠かせません。
ブラッシング指導や補助器具(フロスなど)の使用の推奨
患者様一人ひとりに合った歯磨き方法を丁寧に指導し、適切な歯ブラシ・補助器具の選択をサポートします。正しいブラッシング習慣を身につけることで、毎日のセルフケアが効果的になります。
一人ひとり歯並びも違いますし、歯みがきの仕方にも癖があります。ホームケアの指導では、各個人に合わせた歯みがきの方法や、歯ブラシ、歯間ブラシ、フロスの選び方などをお伝えし、ご自宅でのホームケアをより効果的に行えるようにサポートいたします。
ブラッシング方法
むし歯や歯周病の原因は歯垢です。この歯垢は丁寧なブラッシングによって、大部分を取り除くことができます。ブラッシングは、みがき残しを防ぐため、1本1本の歯を優しく丁寧にみがくことが基本です。歯の表面をみがくときは、歯ブラシを直角に当てて小刻みに動かします(スクラッピング法)。歯と歯ぐきの溝は、歯ブラシを45度の角度に当てて小刻みに動かし、汚れを掻きだすようにします(バス法)。いずれも力を入れ過ぎないように注意しましょう。
デンタルフロス
歯と歯の間の汚れは、デンタルフロスを使用すると落ちやすくなります。糸状のデンタルフロスは、歯と歯のすき間に通して汚れを落とします。ホルダーがついたフロスもありますので、使いやすいものを選択してください。
歯間ブラシ
歯間ブラシは歯と歯の間の汚れを落とします。様々な太さの歯間ブラシがありますので、ご自分の歯に合ったものを選びましょう。前歯と奥歯で歯と歯のすき間が異なる場合は、それぞれ太さに合わせて使い分けます。
キシリトール
キシリトールはむし歯予防効果が実証されている天然甘味料で、厚生労働省から食品添加物として認可されているほか、世界保健機関(WHO)や国連食糧農業機関(FAO)もその効果を認めています。キシリトールは、ミュータンス菌の増殖や歯垢の形成を部分的に抑える効果が期待でき、食後にキシリトール配合のガムなどを摂取することがむし歯予防に有効とされています。
むし歯菌は人から人に感染します。とくに問題となるのがミュータンス菌で、一旦口の中に大量に感染するとなかなか排除できないという大きな問題があります。実は、産まれたばかりの赤ちゃんにはむし歯菌(ミュータンス菌)がいません。赤ちゃんにむし歯菌がうつるのは、たいていご家族からです。お母さんが一番で、手や口移しで食べさせたり、親の箸やスプーンで食べさせたりということでうつってしまいます。
むし歯菌に感染しやすい時期は、生後10カ月くらいで乳歯列が完成して、硬いものが食べられるようになる約2歳半といわれています。この間は赤ちゃんに使う箸やスプーンは専用のものにしたり、離乳食の際に咬み与えをしたりしないようにしましょう。
日頃の歯ブラシ習慣も大切になってきます。小さいころはお母さんが一緒に歯みがきを行うとともに、きちんと磨けているかの点検と仕上げをしてあげましょう。
定期検診やブラッシング指導を受けることもおすすめです。
フッ素塗布はむし歯菌から作られる酸の生成を抑制する効果が期待でき、とくに乳歯や、生えたての永久歯にはむし歯予防効果が大きいとされています。3~4カ月に1回の歯面塗布をおすすめします。シーラントはむし歯になるリスクが高い歯の溝を、歯科用プラスチックで塞ぎ、汚れがたまらないように処置する治療です。乳歯は形が複雑なため、シーラント処置は効果的です。とくに奥歯の深い溝は汚れがたまりやすく、むし歯になりやすいところです。奥歯が生え出したらできるだけ早いうちに溝をコーティングするシーラント処理をおすすめします。
問診票の記入
来院後、まず問診票の記入をしていただきます。
カウンセリング
医師がご記入いただいた問診票を確認しながら、お口に関するお悩みや気になっていることについて伺います。
歯周基本検査
むし歯や歯周病の状態、また、将来むし歯や歯周病になりやすそうな部分をチェックして、ご説明します(必要に応じて、口腔内写真、デジタルレントゲン検査、唾液検査を行います)。また、すぐに治療が必要な歯があった場合には応急処置を行います。
お口のプロフェッショナルによるケア
お口の状態と生活環境に合わせて、食事アドバイスや正しいホームケアについて指導します。また、歯垢や歯石の除去、コーヒーやお茶、タバコなどによる歯表面の着色除去、フッ素塗布などを行います。
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